特集 CURRENT TOPICS 3rd GAST SUMMIT JAPAN学術講演会ハイライト
ワークショップ:わが国から胃癌を撲滅するための具体策 3 H.pylori 除菌の推進における課題
間部 克裕
1
1国立病院機構函館病院消化器科部長
pp.26-27
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.14.02_0026-0027
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わが国でH. pylori除菌を推進するにあたって,2つのことが障壁となっている。1つは医師の認識の問題であり,「H. pylori感染は病気である」という認識が欠けていることである。現状では「H. pylori陽性の健常者」や「H. pylori保菌者」といった言葉が当たり前に使われているが,これらの指す状態は「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」という病気なのであって,治療対象になる。この認識が最も欠けている。もう1つの問題は胃癌検診の受診率である。受診率を高く保つだけではなく,そこからデータを引き出せなければ胃癌予防は進展しない。わが国ではその両方ができておらず,胃癌検診受診率は実際のところ10%前後に留まるものと思われる。以上の2つを念頭に置いて,胃癌予防を考えていく必要がある。
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