特集 将来に備えて胎児環境を整える─ DOHaD を学ぼう─
DOHaDの基礎:エピジェネティクスの基礎
幸田 尚
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所
pp.951-958
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000082
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エピジェネティクスはDNA配列の変化を伴わずに次世代に伝わる表現型の変化を研究する分野である。その分子基盤はDNAのメチル化やヒストンの修飾などの,DNAの塩基配列以外の分子機構によって細胞に記憶され,細胞分裂を経ても消えることがない情報である。また,エピジェネティック修飾にかかわる鍵となる酵素のなかに栄養条件などの影響を受けるものがあり,環境がエピジェネティック修飾を書き換える機構として注目されている。このように,DOHaDのメカニズムを考える上でエピジェネティック制御の理解は欠くことのできないものである。
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