特集 着床
脱落膜化とエピジェネティクス
杉野 法広
1
1山口大学大学院医学系研究科産科婦人科学教授
pp.29-38
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.03_0029-0038
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「Summary」子宮内膜間質細胞は,黄体からのプロゲステロンにより脱落膜化間質細胞に分化し,さまざまな遺伝子発現変化を起こし着床に寄与している。脱落膜化に伴う遺伝子発現調節に関しては,ヒストン修飾とDNAメチル化に代表されるエピジェネティクス調節機構がクロマチン構造を変化させ転写を調節している。われわれは,脱落膜化によりゲノム全体に渡りどのようなヒストン修飾やDNAメチル化の変化が誘導されるのかを次世代シークエンサーを用いて解析した。またヒストン修飾変化を伴い発現が変化する遺伝子の脱落膜化における生理学的役割を述べる。「はじめに」子宮内膜は,卵胞からのエストロゲンによって増殖するとともに,プロゲステロン受容体の発現が増加する。そして,排卵後に黄体から分泌されるプロゲステロンの作用を受け着床に向けた変化が起きる。この子宮内膜の変化のなかで,特に子宮内膜間質細胞はプロゲステロンによって特徴的な変化を示す。「Key words」子宮内膜,脱落膜化,エピジェネティクス,ヒストン修飾,DNAメチル化
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