特集 エイジング
エイジングとホルモン(3) メラトニン
杉野 法広
1
1山口大学大学院医学系研究科産科婦人科学教授
pp.43-49
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.02_0043-0049
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「Summary」加齢に伴う妊孕能の低下は,卵巣の加齢である卵子の数の減少と卵子の質の低下に起因する。高年齢女性では,卵子が枯渇するため排卵誘発薬を使用しても十分な数の卵胞が発育せず,また,卵子の質が不良のための受精障害や,染色体異常による流産の頻度が上昇する。これは長年にわたって卵子に加わる酸化ストレスが重要な原因と考えられている。メラトニンは松果体から産生されるホルモンであるが,強力な抗酸化作用を有するアンチエイジングホルモンとして知られている。メラトニンが加齢に伴う卵子の数の減少や質の低下を防ぐことができる可能性を示す。「はじめに」高年齢女性では,卵巣刺激を行っても発育する卵胞数が少ない,受精率が低い,胚の発育が悪い,妊娠しても流産率が高いなどの問題がある。これら加齢に伴う妊孕能の低下は,卵巣の加齢である卵子の数の減少と卵子の質の低下に起因するものである。「Key words」メラトニン,酸化ストレス,加齢,不妊
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