CURRENT RESEARCH
メラトニンの生物学的作用
岡谷 裕二
1
1高知医科大学産科婦人科
pp.1087-1093
発行日 1999年8月10日
Published Date 1999/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903751
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
メラトニンについての研究は,高速液体クロマトグラフィーを用いた血中メラトニンの微量定量法の開発に始まる.これまでにこの測定系を用い,性機能系とメラトニンとの関連を,中枢性排卵障害,夜間プロラクチン分泌,思春期発来を中心に解明してきた.これまでメラトニンの研究は,日内リズムとホルモン分泌との関連に集約されていたが,近年,メラトニンには強い抗酸化作用を有することが明らかにされ,一躍注目されるようになった.そこで,われわれもantioxidantとしてのメラトニンの生物学的作用に注目し,妊娠中毒症,胎児仮死,老化.高脂血症といったフリーラジカル産生の亢進した病態でのメラトニンの生理,薬理学的作用を検討している.今後,さらにメラトニンの治療剤としての可能性について研究を行いたいと考えている.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.