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メラトニン
前田 潔
1
,
河田 英一朗
2
1兵庫県立成人病臨床研究所
2神戸大学医学部精神神経科
キーワード:
メラトニン
,
生体リズム
,
うつ病
Keyword:
メラトニン
,
生体リズム
,
うつ病
pp.189-190
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900504
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1.メラトニンの生合成と代謝調節
松果体は下等な脊椎動物では皮膚を通して外界の明暗を感じる感覚器官であるが,哺乳動物では感覚器官であるとともに,内分泌器官でもあると考えられて,メラトニンはその松果体で産生されるホルモンといえる.網膜で感じた外界からの光刺激は体内時計とされている視交叉上核(SCN)に伝えられ,上頸神経節を経て交感神経線維によって松果体に達する.メラトニンはトリプトファンからセロトニンをへて(serotonin-)N-acetyltransferase(NAT)およびhydroxyindole O-methyltransferaseによって合成される.NATはメラトニンの生合成の律速酵素で,外界の明暗によってその活性は鋭敏に影響を受け,メラトニンとともに夜間や光を遮断することによって著明に増加する.
メラトニンは現在ではほとんどradioimmunoassay(RIA)によって測定されている.メラトニンのRIAは測定感度も鋭敏で,特異性も高く,手技も簡単である.
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