連載 ゲノム医療の現状
遺伝性不整脈診療におけるゲノム医療
大野 聖子
1
1国立研究開発法人国立循環器病研究センターメディカルゲノムセンター 研究部長
pp.44-47
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.02_0044-0047
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若年者突然死の原因となる遺伝性不整脈において、遺伝学的検査は診断・治療・予後予測に不可欠なものとなっている。最近の遺伝学的検査では、解析対象となる遺伝子を搭載した遺伝子パネルを用いて、複数の遺伝子を同時に解析することができる。現在国内では、先天性QT延長症候群(long QT syndrome:LQTS)のみ保険診療として遺伝学的検査を実施可能であり、発症前診断や遺伝型に基づいた治療に活用されている。それ以外の遺伝性不整脈においても遺伝学的検査は有用であり、研究レベルで実施されている。さらに希少疾患でありながら多因子が関与するBrugada症候群の疾患では、ゲノムワイド関連解析等でリスクとなる遺伝子多型が同定されてきており、診断や予後予測への活用が期待される。

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