特集 神経難病に挑む―診断学から治療学へ―
プリオン病
佐藤 克也
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1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻保健科学分野(神経内科学専攻) 教授
キーワード:
プリオン病
,
診断基準
,
治療法
Keyword:
プリオン病
,
診断基準
,
治療法
pp.29-35
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.04_0029-0035
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1920年代、ドイツの神経学者クロイツフェルトとヤコブが急速進行性の認知機能の低下と運動障害を特徴とする新たな疾患を報告し、プリオン病研究が始まった。のちにこの疾患は、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と命名された。1930年代には、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(GSS)が家族性のプリオン病として報告された。1950年代、パプアニューギニアのKuru研究がプリオン病研究の基礎となった。1982年、Prusinerがプリオンという用語を提唱し、感染因子がタンパク質であることを証明した。1986年に狂牛病が報告され、1996年には変異型CJDとの関連が確認された。2000年代に入り、診断技術の向上や新たな治療法の開発が進められ、2021年には新たなCJD診断基準が提唱された。プリオン病研究は、疾患メカニズムの解明から診断・治療法の開発まで、約1世紀にわたり進展を続けている。「KEY WORDS」プリオン病,診断基準,治療法
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