特集 プリオン病:その実態に迫る
プリオンとプリオン病 ~残された謎と今後の展望~
水澤 英洋
1
1国立精神・神経医療研究センター理事長
キーワード:
プリオン病
,
伝達
,
感染
,
異常プリオン蛋白
Keyword:
プリオン病
,
伝達
,
感染
,
異常プリオン蛋白
pp.67-69
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.02_0067-0069
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本特集にてもご覧いただいたように,プリオン病は,きわめてまれであり,治療法は現在全く存在せず,発症すれば平均約1.5年で急速にかつ100%死に至る悲惨な疾患である1)2)。プリオンと呼ばれる伝達(感染)性をもった蛋白質により感染し,変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease;CJD)のように経口感染や輸血で感染する人獣共通感染症も存在する。さらに遺伝性疾患であり,プリオン蛋白遺伝子の多くの変異により認知症,小脳失調症,痙性対麻痺,パーキンソニズムから末梢神経障害に至るまでさまざまな病型のプリオン病が発症する。まさに,成人領域では最も悲惨な疾患といっても過言ではない。一刻も早く治療法や予防法を開発し,克服を目指すべき疾患といえる。「KEY WORDS」プリオン病,伝達,感染,異常プリオン蛋白
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