連載 医学・薬学 人物往来
第3回EHR(電子健康記録)の現状と今後の展望
前田 嘉信
1
,
吉原 博幸
2
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器内科学 教授
2京都大学・宮崎大学 名誉教授/京都大学大学院医学研究科健康情報学/ライフデータイニシアティブ 代表理事
pp.58-62
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.03_0058-0062
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前田 今回は吉原博幸先生にお越しいただき、「電子健康記録(electronic health record:EHR)「千年カルテ」」についてお話を伺いたいと思います。まずはEHRの概要をご紹介いただけますでしょうか。吉原 EHRの取り組みを始めたきっかけは、医学生時代のことですが、電子カルテに集まるデータを使って人工知能(AI)を作れば、医療安全の向上、ひいては、医師が行っている診断・治療方針作成過程の自動化が実現できるかもしれないと考えたからでした。1995年に、データを集めるには医療情報の論理的共通基盤が必要になると考え、MML(Medical Markup Language)というXML(Extensible Markup Language)で書かれた定義を4年程で作り上げました。それに沿った形で、医療機関のデータを共通形式(MML)に変換して集め始めました。
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