特集 地域保健活動の焦点—21世紀を目前に
II章 保健所は強化されたか—地域保健法施行後の活動総括
中核市における現状と今後の展望
犬塚 君雄
1
1豊田市保健所
pp.1017-1021
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902968
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はじめに
地方自治法の改正により誕生した中核市制度を筆者が初めて知ったのは,保健所法の改正のために公衆衛生審議会総合部会の下に設置された地域保健基本問題検討会においてであった。一定規模以上の市で,自ら地方の中核的な都市として独自に役割を果たそうという意欲のある市に対し,政令指定都市に準ずる権限委譲を行い,地方分権を進めるための制度と理解した。
保健所設置を義務づけることの是非についての議論は,地域保健基本問題検討会ではなされなかったと記憶しているが,保健所政令市制度に新たな枠組みの市が加わることについて,全国保健所長会が以前から指摘してきた保健所政令市制度の諸問題の解決が必要であるとの発言をさせていただいたと思う。筆者は愛知県職員であり,現在,中核市である豊田市への派遣の身分でもある。中核市保健所長として中核市における現状と今後の展望について,豊田市における経験をもとに述べる。
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