報告 公衆衛生学教育のあり方に関する一考察・1
米国の現状と今後の展望を中心に
山本 光昭
1,2
,
山本 尚子
3
,
青山 英康
4
Mitsuaki YAMAMOTO
1,2
,
Naoko YAMAMOTO
3
,
Hideyasu AOYAMA
4
1広島県福祉保健部健康対策課
2前 厚生省大臣官房厚生科学課
3厚生省保健医療局疾病対策課結核・感染症対策室
4岡山大学医学部衛生学
pp.584-588
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900636
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1.はじめに
歴史的にわが国において公衆衛生専門家の果たしてきた役割は大きく,感染症のコントロール,母子保健,食品衛生や上下水道の管理など国民の健康水準の向上に寄与してきた.しかし,現在公衆衛生が直面する問題は,人口構造の高齢化,慢性疾患の増加,エイズなどの新たな感染症対策から地球規模の環境問題まで幅広くかつ複雑になってきている.これらの複雑な問題に取り組む公衆衛生専門家として求められる能力はなにか.また,その能力を高め維持するシステムはどうあるべきなのか.これらの問題を考える上での資料を提供する目的で,今回から3回にわたり米国の公衆衛生学教育の現状を紹介し,今後のあり方を考察したい.第1回は米国における公衆衛生専門家の養成プログラムについて,第2回は公衆衛生専門家の質の確保のシステムについて,第3回は米国の公衆衛生学教育の問題点と今後の日本における公衆衛生学教育のあり方について述べることとする.
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