連載 Medical Scope
糖尿病患者における理学療法の現状と課題
井垣 誠
1
1公立豊岡病院日高医療センターリハビリテーション技術科 科長
pp.57-60
発行日 2020年7月20日
Published Date 2020/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.07_0057-0060
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
糖尿病患者に対する理学療法は,糖尿病がもたらす運動器症状に対する運動療法と血糖コントロールに対する運動療法の2つの視点がある。糖尿病患者では筋の柔軟性低下や関節可動域制限,筋力低下をもたらし,サルコペニア,フレイルの状態に移行しやすい。理学療法士は有酸素運動,レジスタンス運動,バランス運動,NEATの増加といった介入手段で糖尿病患者への指導を行うことができる。糖尿病細小血管症をもつ患者の理学療法の際には,その病態に応じたリスク管理が求められる。今後は,運動療法の継続率が向上するような支援体制の構築や運動療法が糖尿病合併症の重症化予防に貢献できるかなどを明らかにしていく必要がある。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.