特集 骨髄異形成症候群(MDS)診療の進歩と課題
MDSにおける同種移植の適応と治療成績
遠矢 嵩
1
1がん・感染症センター都立駒込病院血液内科
キーワード:
骨髄異形成症候群
,
同種造血幹細胞移植
,
遺伝子変異
Keyword:
骨髄異形成症候群
,
同種造血幹細胞移植
,
遺伝子変異
pp.43-49
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.02_0043-0049
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骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes;MDS)は造血幹細胞レベルで生じた遺伝子異常が病態形成に関与し,同種造血幹細胞移植が唯一の根治療法である。しかし,同種移植は合併症の多い治療法であり,高齢者の多いMDS患者では特に疾患リスクと合併症リスクを慎重に比較検討したうえで適応を検討することが求められる。MDSの疾患リスクは主に骨髄中の芽球割合,染色体異常,血球減少によって規定されてきたが,近年は遺伝子変異の有無も重要な予後因子であることが明らかになってきている。本稿では造血幹細胞移植の基本的な事項にも触れつつ,MDSの一般的な臨床像や移植適応に関連する疾患因子,comorbidity indexなど患者側の評価に関与する因子も含めて移植適応の評価に重要な項目を概説し,今後期待される移植前後の治療についても述べることとする。「KEY WORDS」骨髄異形成症候群/同種造血幹細胞移植/遺伝子変異
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