特集 リンパ腫診療―診断の入り口から治療まで
リンパ腫診療におけるFAQ
リンパ腫に対する同種造血幹細胞移植の適応は?
渡邊 瑞希
1
,
諫田 淳也
1
1京都大学医学部附属病院血液内科
キーワード:
リンパ腫
,
同種造血幹細胞移植
,
移植片対リンパ腫効果
,
移植関連死亡
Keyword:
リンパ腫
,
同種造血幹細胞移植
,
移植片対リンパ腫効果
,
移植関連死亡
pp.289-292
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_289
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Summary
▪リンパ腫に対する同種造血幹細胞移植は同種免疫による移植片対リンパ腫(GVL)効果を期待して行われるが,移植後再発や移植関連死が課題である.
▪リンパ腫の組織型や移植前の腫瘍コントロールは移植成績に大きな影響を与える.症例ごとに前処置やドナーソース,移植片対宿主病(GVHD)予防法を選択し,適切な時期に移植を行うことが重要である.
▪新規薬剤やCAR-T細胞療法など,リンパ腫の治療は日々進歩している.一方,HLA半合致血縁者間移植数の増加や臍帯血移植成績の改善など,移植治療領域における代替ドナーの拡充も目覚ましい.同種移植前後の新規薬剤の併用,あるいはCAR-T細胞療法と同種移植の適応の検討など,リンパ腫治療全体における同種移植の位置づけや,移植戦略に関する検討を継続する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2021