特集 骨髄異形成症候群(MDS)診療の進歩と課題
MDSの診断基準と鑑別診断
松田 晃
1
1埼玉医科大学国際医療センター造血器腫瘍科 教授
キーワード:
骨髄異形成症候群
,
再生不良性貧血
,
診断基準
,
鑑別診断
Keyword:
骨髄異形成症候群
,
再生不良性貧血
,
診断基準
,
鑑別診断
pp.9-14
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.02_0009-0014
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骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes;MDS)の本態は,遺伝子異常を有する造血幹細胞のクローン性増殖である。MDSは異形成を伴う造血細胞の異常な増殖とアポトーシスによる細胞死によって特徴づけられる造血器腫瘍であり,無効造血のために典型例では骨髄は正~過形成であるにもかかわらず,血球減少をきたす。しばしば急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia;AML)へ移行する(前白血病)。MDSの診断の基本は,細胞形態学的検査,骨髄病理学的検査,染色体検査,血球減少をきたす他疾患の除外である。一般にはMDSは中高年齢者に好発するため,特にその年齢で原因が明らかでない血球減少に遭遇した際には,MDSの存在に注意を払うべきである。本稿では,わが国のMDSの診断基準である「特発性造血障害に関する調査研究班」の「不応性貧血(骨髄異形成症候群)の診断基準(平成28年度改訂)」1)と鑑別診断について概説する。「KEY WORDS」骨髄異形成症候群/再生不良性貧血/診断基準/鑑別診断
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