特集 小児の貧血
10.再生不良性貧血の診断と治療
成田 敦
1
1名古屋大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
再生不良性貧血
,
先天性骨髄不全症
,
骨髄異形成症候群
,
同種骨髄移植
,
免疫抑制療法
Keyword:
再生不良性貧血
,
先天性骨髄不全症
,
骨髄異形成症候群
,
同種骨髄移植
,
免疫抑制療法
pp.1536-1544
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001513
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再生不良性貧血は3系統(白血球,赤血球,血小板)の血球減少および骨髄低形成を特徴とする一つの症候群である.小児においては先天性骨髄不全が10%程度含まれるため,先天性骨髄不全のスクリーニング検査および網羅的遺伝子解析による鑑別を要する.治療方針は重症度に基づいて決定される.重症型の治療にはHLA一致同胞からの同種骨髄移植を選択するが,同胞ドナーが得られない場合には抗胸腺グロブリンとシクロスポリンによる免疫抑制療法が選択肢となる.近年HLA一致同胞以外からの移植成績が向上しており,初回治療に免疫抑制療法の代わりに代替ドナーからの同種骨髄移植を推奨する意見もあり,治療アルゴリズムの再検討が必要である.
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