特集 生殖医療の現在
子宮移植の現状と課題
阪埜 浩司
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室専任講師
キーワード:
子宮移植
,
子宮性不妊症
,
臨床応用
,
リスク
Keyword:
子宮移植
,
子宮性不妊症
,
臨床応用
,
リスク
pp.39-45
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.04_0039-0045
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「はじめに」妊娠可能年齢にある女性の不妊症有病率は,3.5~16.7%であるとの報告がある1)。そのなかでも子宮性不妊症は,いまだ治療法のみつかっていない唯一の不妊症ともいえる。1978年にはじめて体外受精児が誕生して以来2),生殖補助医療はめまぐるしい発展を遂げてきたにもかかわらず,子宮性不妊症の治療は不可能なままである。現在,子宮性不妊の女性が母親になるための手段として,法律的な母親となることのできる養子縁組,遺伝的な母親となるための代理懐胎が存在する。しかし,代理懐胎は倫理的,法律的,宗教的理由から,わが国をはじめ多くの国で認められていない。このような子宮性不妊の女性が挙児を実現するための手段として子宮移植が注目されている。子宮移植はドナーからの子宮提供により,移植を受けたレシピエントの妊娠と出産を可能にする技術である。「KEY WORDS」子宮移植,子宮性不妊症,臨床応用,リスク
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