特集 生殖補助医療の進歩と周産期医療
生殖補助医療(ART)の立場から
子宮移植の現状と展望
木須 伊織
1
,
阪埜 浩司
1
KISU Iori
1
,
BANNO Kouji
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.359-365
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000084
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はじめに
近年,子宮性不妊女性が挙児を得る選択肢として,「子宮移植」という新たな生殖医療技術が考えられるようになり,海外ではすでに臨床研究がなされ,2014年9月にはスウェーデンにおいて,世界で初めての生体間子宮移植後の出産が報告された1)。この報告を機に国際的に子宮移植が新たな医療技術として急速に展開されつつあり,わが国でもその実施が期待されている。一方で,子宮移植にはほかの生殖医療同様に解決すべき多くの医学的,倫理的,社会的課題が内包されている2)。本稿では,子宮移植の現状と課題,展望について概説する。
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