特集 多発性骨髄腫の最新情報Ⅱ
新たな疾患概念としてのIGLC2由来ALアミロイドーシス:形質細胞性疾患での従来型AL,AH,まれなAAアミロイドーシスとの差異とは
杉本 俊哉
1
1熊本大学大学院保健学教育部
キーワード:
ALアミロイドーシス
,
M蛋白
,
軽鎖
Keyword:
ALアミロイドーシス
,
M蛋白
,
軽鎖
pp.81-84
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.01_0081-0084
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「はじめに」アミロイドーシスは,アミロイドと呼ばれる繊維状の構造をもつ不溶性蛋白が特定の臓器や組織に沈着してさまざまな機能障害を引き起こす病態の総称である。沈着部位による分類では,全身諸臓器にアミロイドが沈着する全身性アミロイドーシスと,特定部位に限局してアミロイドが沈着する限局性アミロイドーシスに大きく分けられる。アミロイド前駆蛋白による分類では,免疫グロブリン軽鎖(light chain;LC)が沈着するALアミロイドーシスや,急性期蛋白である血清アミロイドA(serum amyloid A;SAA)がアミロイドA(amyloid A;AA)として線維化し,沈着するAAアミロイドーシスなど,さまざまな病型に分類される。そのなかの1つであるALアミロイドーシスはLCが原因であり,その確定診断にはアミロイド病変部位にLCを免疫染色により証明することが重要であるが,証明が困難な症例も多い。われわれはそのような症例において質量分析により詳細な解析を行い,特定のLCペプチド(immunoglobulin constant region 2;IGLC2)を繰り返し同定した。「KEY WORDS」ALアミロイドーシス,M蛋白,軽鎖
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