特集 多発性骨髄腫の最新情報Ⅱ
POEMS症候群:いかに考え,治療するか
川尻 千華
1
1千葉大学医学部附属病院血液内科診療教授
キーワード:
POEMS症候群
,
VEGF
,
自家末梢血幹細胞移植
,
サリドマイド
,
レナリドミド
Keyword:
POEMS症候群
,
VEGF
,
自家末梢血幹細胞移植
,
サリドマイド
,
レナリドミド
pp.75-79
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.01_0075-0079
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「はじめに」POEMS症候群(Crow-Fukase症候群,高月病)は形質細胞増殖症(plasma cell dyscrasia)を基盤として,多発神経炎による末梢神経障害,臓器腫大(肝脾腫),浮腫・胸腹水,皮膚症状(剛毛,色素沈着,血管腫),骨硬化性病変,M蛋白血症などを呈する全身性疾患であり1)2),まれではあるがわが国で比較的頻度の高い疾患である。成人に多く,形質細胞腫瘍の1~2%と推定される。1995年のTakatsukiらの報告によれば,文献例を含めた158例の検討にて男女比は1.5:1,発症年齢中央値は男女とも48歳で多発性骨髄腫と比較すると若年である3)。多彩な症状のなかで,特に末梢神経障害が患者の日常生活動作(activities of daily living;ADL)を著しく障害し,末期には四肢麻痺,多臓器不全に至る予後不良な疾患である4)。きわめて多彩な身体徴候や検査所見を呈し,しばしば他の疾患との鑑別に難渋し,まだなお診断の遅れる症例も多い。「KEY WORDS」POEMS症候群,VEGF,自家末梢血幹細胞移植,サリドマイド,レナリドミド
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