Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
自己免疫疾患・膠原病・血管炎など
AAアミロイドーシス
AA amyloidosis
森本 泰隆
1
,
上田 智大
1
,
大野 智之
1
,
小西 英一
2
Yasutaka Morimoto
1
,
Tomohiro Ueda
1
,
Tomoyuki Ohno
1
,
Eiichi Konishi
2
1京都済生会病院消化器内科
2京都府立医科大学附属病院病院病理部
キーワード:
AAアミロイドーシス
,
微細顆粒状粘膜
,
serum amyloid A protein
Keyword:
AAアミロイドーシス
,
微細顆粒状粘膜
,
serum amyloid A protein
pp.614-615
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001387
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疾患の概要
アミロイドーシスは,繊維性の特異な蛋白であるアミロイド物質が特定の臓器に沈着し,機能障害をきたす難治性疾患の総称である。アミロイド蛋白の種類や沈着様式によって細分化されるが,AAアミロイドーシスは,急性炎症に鋭敏に反応する急性期蛋白 serum amyloid A protein(SAA)の代謝産物が,腎臓や消化管など全身臓器に沈着する疾患である1)。十二指腸,小腸が沈着の好発臓器であり,消化管運動障害や粘膜血流障害を生じることにより,食欲不振,慢性下痢,吸収不良,体重減少,貧血などの症状を呈する。本症は,関節リウマチ(本症の90%を占める),結核,血管炎症候群,自己免疫疾患などの慢性炎症を基礎疾患とする。全消化管に沈着するが,内視鏡的に形態学的変化をとらえやすい十二指腸球部や十二指腸下行部の内視鏡生検による診断率が高い。早期にAAアミロイドーシスを診断し, 原疾患に対して生物学的製剤(抗IL-6抗体や抗TNFα抗体)を使用することにより,消化管病変も改善することが報告されており,その診断意義は大きい2)。
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