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特集 MGRS―血液内科との連携
【基礎】
ALアミロイドーシスにおけるアミロイドの線維形成メカニズムおよびその病態
Mechanism of amyloid fibril formation and its pathogenesis in AL amyloidosis
田崎 雅義
1,2
,
植田 光晴
2
TASAKI Masayoshi
1,2
,
UEDA Mitsuharu
2
1熊本大学大学院生命科学研究部 生体情報解析学講座
2熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経内科学講座
キーワード:
アミロイドーシス
,
アミロイド
,
ALアミロイドーシス
Keyword:
アミロイドーシス
,
アミロイド
,
ALアミロイドーシス
pp.401-404
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000076
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Ⅰ アミロイドーシスとは
アミロイドーシスとは,可溶性の蛋白質が難溶性のアミロイド線維へと構造を変え,全身諸臓器に沈着することで臓器障害を引き起こす疾患群の総称である。アミロイド線維は,枝分かれのない10nm程度の線維状の構造物で,コンゴ・レッド染色で赤橙色に染まり,偏光顕微鏡下ではアップルグリーンを呈する病理学的な特徴をもつ。これまでにアミロイドを形成する蛋白質として,免疫グロブリンの軽鎖(L鎖)やトランスサイレチン(TTR)など36種類が報告されている1)。本疾患群は,原因蛋白質の種類により各病型に分類される。そのなかで,腎臓にアミロイド沈着を認めるタイプには,非遺伝性のタイプとしてALアミロイドーシスやAAアミロイドーシス,遺伝性のタイプとして,遺伝性apolipoprotein AⅠアミロイドーシスや遺伝性フィブリノーゲン型アミロイドーシスなどがある(表)。Leukocyte chemotactic factor 2(LECT2)によるアミロイドーシス(ALECT2アミロイドーシス)をはじめ,いまだわが国で患者が確認されていない腎アミロイドーシスも多数存在する。
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