特集 小児血管炎診療の基礎と臨床―IgA血管炎や川崎病だけではない多様な全身性疾患群―
Ⅲ.各血管炎の病態と診療
結節性多発動脈炎
中野 直子
1
1愛媛県立中央病院小児科
キーワード:
結節性多発動脈炎
,
壊死性血管炎
,
グルココルチコイド
,
シクロホスファミド
,
ADA2欠損症
Keyword:
結節性多発動脈炎
,
壊死性血管炎
,
グルココルチコイド
,
シクロホスファミド
,
ADA2欠損症
pp.1179-1184
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001794
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SUMMARY
▷結節性多発動脈炎は「中・小動脈の壊死性血管炎で,糸球体腎炎あるいは細小動脈・毛細血管・細小静脈の血管炎を伴わず,抗好中球細胞質抗体と関連のない疾患」と定義される.
▷病理組織学所見では,特に急性炎症期において,筋性動脈の血管壁に強い炎症と壊死がみとめられ,病変部位は健常部位に挟まれるように分節的に確認される.
▷臨床症状は,倦怠感・体重減少・発熱・関節痛などの全身症状と虚血による臓器症状からなる.炎症所見と血管画像や病理所見による血管炎の証明が診断に有用である.
▷治療難渋例,家族内発症をみとめる場合には,類似の症状を呈するCECR1遺伝子変異によるADA2欠損症を疑う.

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