Japanese
English
症例報告
結節性多発動脈炎を疑い,肝動脈に多発性小動脈瘤を認めた1例
A Case of Suspected Polyarteritis Nodosa in a Patient with Multiple Microaneurysm of the Liver Artery
樋口 忠義
1
,
石川 治
1
,
石川 英一
1
Tadayoshi HIGUCHI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
結節性多発動脈炎
,
動脈造影
,
多発性小動脈瘤
Keyword:
結節性多発動脈炎
,
動脈造影
,
多発性小動脈瘤
pp.379-382
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900862
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50歳,女性.手指の有痛性紅斑で発症した結節性多発動脈炎の疑い例を報告した.紅斑は組織学的に,類上皮細胞を伴う肉芽腫性動脈炎の像を示した.両膝関節痛,発熱,赤沈亢進などの臨床症状より,全身性血管炎を考え精査したが,確定診断に至らなかった.経過観察中,高血圧,腹痛が出現し,また動脈造影で,肝動脈に多発性に小動脈瘤を認めた.多発性小動脈瘤は,壊死性血管炎の存在を示唆する所見として種々の疾患で認められるが,自験例は現時点では,結節性多発動脈炎による可能性が最も高いと考えた.自験例のごとく,結節性多発動脈炎が疑われるにもかかわらず,生検組織像が定型的でなく,また臨床症状および検査結果が厚生省診断基準を満たさない症例では,内臓臓器の動脈造影が診断を考える上で有用であると思われた.
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