特集 病態から考える薬物療法
第Ⅸ章 血管炎・血管障害
3 結節性多発動脈炎
池田 高治
1
Takaharu IKEDA
1
1東北医科薬科大学医学部,皮膚科
キーワード:
結節性多発動脈炎
,
壊死性血管炎
,
アデノシンデアミナーゼ2欠損症
,
抗ホスファチジルセリン・プロトロンビン複合体抗体
Keyword:
結節性多発動脈炎
,
壊死性血管炎
,
アデノシンデアミナーゼ2欠損症
,
抗ホスファチジルセリン・プロトロンビン複合体抗体
pp.804-808
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003270
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa,以下PAN)は,中型小型筋性動脈を標的とし,障害血管に分節的に病変が形成される壊死性血管炎である。皮膚血管炎を示す血管炎の各疾患では,皮膚の罹患血管のサイズの違いにより,障害する血管レベルと出現する皮膚症状にある程度の相関がみられる(図1)1)。ANCA関連血管炎などの真皮浅層小血管の障害ではpalpable purpuraや膨疹がみられるのに対し,PANの真皮皮下組織境界部から皮下組織の小動脈の障害では,網状皮斑,結節,皮下結節,浸潤性紅斑が出現し(図2-a~c),ときに深い潰瘍や壊死がみられる。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.