特集 遺伝カウンセリングを学ぼう!
Ⅱ.様々な場面での遺伝カウンセリング
Fabry病
馬場 遥香
1
,
堀田 純子
1
,
瀬戸 俊之
1
1大阪公立大学大学院医学研究科臨床遺伝学
キーワード:
遺伝カウンセリング
,
X連鎖性顕性遺伝形式
,
ヘテロ接合体女性
,
治療選択肢
,
拡大新生児マススクリーニング
Keyword:
遺伝カウンセリング
,
X連鎖性顕性遺伝形式
,
ヘテロ接合体女性
,
治療選択肢
,
拡大新生児マススクリーニング
pp.1026-1032
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001751
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SUMMARY
▷Fabry病は男女ともに発症し得るX連鎖性遺伝性疾患であり,その症状は脳・心臓・腎臓をはじめとした全身の諸臓器にわたる.発症様式は個人差が大きく,通常は男性のほうが女性より早期かつ重度の症状を呈する.ヘテロ接合体女性は,加齢とともに心疾患など特有の症状を発症することが多い.
▷治療法は酵素補充療法と薬理学的シャペロン療法だが,治療介入時期は現在も議論がかわされている.
▷遺伝カウンセリングでは診断時の遺伝学的解析の意義,疾患の多様な自然歴,治療選択肢に関して最新の情報提供を行う.近年Fabry病を拡大新生児マススクリーニングの対象疾患に加える地域が増え,遺伝カウンセリングの重要性が高まっている.子どもがFabry病の診断に至った場合の遺伝カウンセリングでは,治療開始時期に関する情報提供や,母親などat risk者への対応が求められる.

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