特集 臓器別に斬る小児の感染症 最適な抗菌薬の選択と期間とは?
Ⅱ 各論
9 生殖器・性感染症
骨盤内炎症性疾患
𠮷田 美智子
1
1東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野
pp.179-184
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001301
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サマリー
1 感染臓器:
子宮内膜,卵管,付属器(卵巣,卵管),腹腔など
2 想定する微生物:
淋菌やクラミジア・トラコマティス,腸内細菌
3 提出すべき検査:
頸管分泌物で淋菌とクラミジア・トラコマティスの核酸増幅検査(NAAT),腟分泌物や頸管分泌物,腹水の細菌培養・薬剤感受性検査(嫌気培養も提出),画像検査,性感染症(トリコモナスや梅毒,HIV,B型肝炎)のスクリーニング検査,妊娠検査
4 経験的治療:
1)セフメタゾール+ドキシサイクリン
2)アンピシリン・スルバクタム+ドキシサイクリン
3)クリンダマイシン+ゲンタマイシン+ドキシサイクリン
5 標的治療:
提出した培養検査で原因微生物が同定され,必要ならば薬剤感受性に合わせて抗菌薬を変更する.複数菌が関与することが多い感染症である点には留意する
6 治療効果判定:
治療開始2~3日後に発熱や腹痛など臨床症状の改善
7 Oral switch:
臨床症状の改善を確認したのち,初期治療から投与していたドキシサイクリンやクリンダマイシンのみに変更可能である
8 治療期間:
静注薬は,臨床症状の改善から24~48時間は継続する.ドキシサイクリンまたはクリンダマイシンは合計14日間投与する
9 参考となる成書やガイドライン:
文献1),2),3)
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