今月の臨床 経腟超音波を使いこなす
婦人科腫瘍の鑑別診断
15.骨盤内炎症性疾患
秦 利之
1
,
妹尾 大作
2
1島根医科大学産科婦人科
2丹後中央病院産婦人科
pp.632-639
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903261
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骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory dis—ease:PID)とは婦人科領域における内性器感染症の総称で,近年,子宮頸管より上部の性器に発症する上行性感染で付属器(骨盤内膿瘍を含む)を中心とした疾患という明確な位置づけがなされるようになった.原因としては,クラミジア,淋菌などのSTD(sexually transmitted disease)によるものが代表的であるが,非特異的細菌感染に起因するものも広く含まれる.
PIDは子宮付属器炎,付属器膿瘍(卵管卵巣膿瘍),骨盤腹膜炎,ダグラス窩膿瘍に分類されるが,起炎菌により付属器,とくに卵管の病変を伴うことが多いのが特徴である.
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