特集 臓器別に斬る小児の感染症 最適な抗菌薬の選択と期間とは?
Ⅱ 各論
9 生殖器・性感染症
精巣上体炎
松井 太
1
,
野崎 昌俊
2
,
松本 富美
1
1大阪母子医療センター泌尿器科
2大阪母子医療センター周産期・小児感染症科
pp.174-178
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001300
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サマリー
1 感染臓器:
精巣上体,高度な炎症の場合,精巣や精管に波及
2 想定する微生物:
乳幼児:大腸菌,腸球菌(Enterococcusfaecalis)
先天性腎尿路疾患を合併する場合:クレブシエラ・ニューモニエ,緑膿菌
3 提出すべき検査:
尿検査(尿試験紙法,尿沈査),尿培養(薬剤感受性検査含む),血液検査,TWISTスコア,陰囊部超音波検査
4 経験的治療:
膿尿や細菌尿を伴わない場合:抗菌薬治療不要
膿尿や細菌尿を伴う場合:
1)軽症・中等症患者
a)グラム陰性桿菌を疑う場合もしくはグラム染色実施が困難な状況:
セファレキシンもしくはST合剤経口投与
b)グラム陽性球菌を疑う場合:
アモキシシリン経口投与
2)重症患者
セフトリアキソン,セフォゾプランあるいは
アンピシリン・スルバクタム点滴静注
5 標的治療:
抗菌薬治療開始後3日後に効果判定.尿培養結果・薬剤感受性成績により標的治療に切り替え
6 治療効果判定:
陰囊内容の疼痛,圧痛,皮膚の発赤の改善,尿検査・尿培養の陰性化
7 Oral switch:
重症患者:セフトリアキソン,セフォゾプランあるいはアンピシリン・スルバクタムの経静脈投与3~7日間投与,症状寛解後,経口抗菌薬に変更
8 治療期間:
軽症・中等症:10~14日間
重症患者:14~21日間
9 参考となる成書やガイドライン:
文献1),2)
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