特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅱ 皮膚症状が診断に重要な全身性疾患
ブドウ球菌感染症
小川 英輝
1
1あいち小児保健医療総合センター総合診療科
pp.169-174
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000971
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診療のポイント
■黄色ブドウ球菌は鼻腔や皮膚の常在菌であるが,環境中にも広く分布しており,院内・市中を問わず,感染症の起因菌となる.
■皮膚軟部組織感染症は感染した組織の深さを推定することが重要であり,一般的には,感染部位が表層に近いほど,発赤がより顕著で境界明瞭な病変となり,表層のびらんや膿疱などの所見が得られやすくなる.
■壊死性筋膜炎や化膿性関節炎などの外科的介入が必要な疾患は常に念頭において診療にあたるべきである.
■メチシリン感性黄色ブドウ球菌(MSSA)に対してはセファレキシンなどの第1世代セファロスポリン,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)にスルファメトキサゾール・トリメトプリムなどの内服抗菌薬が有効である.
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