特集 2019年の白血病診療―新たな武器を上手に活用するために
白血病の治療:新規治療薬の役割を含めて
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
松田 光弘
1
1PL病院血液内科
キーワード:
BCR-ABL1融合遺伝子
,
微小残存病変(MRD)
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
Keyword:
BCR-ABL1融合遺伝子
,
微小残存病変(MRD)
,
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
pp.2091-2096
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2091
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Summary
▪RQ-PCR法を用いたBCR-ABL1融合遺伝子測定による微小残存病変(MRD)の評価は,治療効果判定と予後予測に重要である.
▪チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場以来,治療成績が向上している.
▪第三世代TKIであるponatinibと化学療法の併用で,早期のMRD陰性を獲得できることが報告されているが,長期投与による有害事象が懸念され,その至適投与方法の確立が必要である.
▪第一寛解期に適切なドナーが存在すれば,同種造血幹細胞移植の適応となる.
▪早期にMRD陰性をもたらした症例は,造血幹細胞移植を回避できる可能性が議論されている.
▪再発・難治症例への効果が期待される新規抗体薬の位置づけの確定には,今後のさらなるデータ集積が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019