特集 小児の敗血症診療up to date
序文
久田 研
1
1順天堂大学医学部小児科
pp.601-601
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000491
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敗血症は,最も迅速かつ適切に対処しなければならない疾患の1つです.徴候を見逃さず正しく認知し,短時間で適切に検体を採取し,呼吸循環管理や抗菌薬療法を同時並行的に行わなければなりません.そのためには,個々の技能は無論のこと,チームとしての能力も求められます.また,予後向上のため,敗血症診療も刻々と変化しています.敗血症診療のエビデンスをまとめたSurviving Sepsis Campaign Guidelines(SSCG)は,定期的に改訂が重ねられ,2021年10月にSSCG2021が発表されました.同様に,日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)も4年ごとに見直しが行われ,J-SSCG2020が2021年2月に出版されています.国際ガイドラインであるSSCGは,経済状況や医療体制の異なる国々を対象としている一方,J-SSCGは,わが国の医療体制や制度を考慮したガイドラインであり,両者で異なる立場のものもあります.われわれは,ガイドラインの推奨の策定根拠,改訂箇所の背景やその根拠,さらには,SSCGとJ-SSCGの立場の違いを十分知ったうえで,対応することが求められます.
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