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特集 家族性高コレステロール血症(FH)診療のパラダイムシフト—PCSK9のインパクト
序文
Impact of PCSK9 on the Diagnosis and Treatment of Familial Hypercholesterolemia
寺本 民生
1
Tamio Teramoto
1
1帝京大学臨床研究センター
1Teikyo Academic Research Center
pp.1049-1050
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206057
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家族性高コレステロール血症(FH)は心血管疾患の重大な危険病態であるとともに,きわめて頻度の高い遺伝性疾患である.2003年にPCSK9が発見され,その生理的意義が解明されるに従い,FHの疫学や,治療法に大きな変化が起こってきている.わが国では2016年4月からわが国最初のPCSK9に対する抗体療法が始まり,9月には2番目の抗体治療薬が発売された.わが国で行われた治験結果を見ると,その効果はきわめて強力で,まさに冠危険因子の筆頭にあるLDLに関しては,ほぼ制圧できる状況まで見えてきている.
このような状況の中で,われわれは次の段階として,高LDLコレステロール(LDL-C)血症とどのように対峙していくべきなのか,改めて考えるべき時期に来ているように思われる.
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