特集 もっと知りたい!妊婦の栄養・食事の疑問点
Ⅰ.総 論
3.わが国における妊婦の栄養管理の歴史とDOHaD学説とのかかわりは?
伊東 宏晃
1,2
1浜松医科大学
2藤枝市立総合病院
キーワード:
DOHaD
,
生活習慣病
,
低出生体重児
Keyword:
DOHaD
,
生活習慣病
,
低出生体重児
pp.1091-1097
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001355
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
わが国における妊婦の栄養管理の歴史は,妊娠中毒症(現代の妊娠高血圧症候群に近い概念,診断基準は異なる)を発症した妊婦に対する入院治療としてのエネルギー摂取制限,やがては妊娠中毒症の予防を目的とした外来における一般妊婦を対象とした体重管理に端を発する.その源流は第二次世界大戦の末期にドイツ軍の経済封鎖によるアムステルダム周辺における極端な飢餓状況,いわゆるDutch Famineにおける妊婦の疫学研究にさかのぼる.わが国における妊婦の栄養管理の黎明期から2021年の新たな妊婦の体重増加指導の目安策定までの歴史を紹介し,今後の課題を考察する.

Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.