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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅱ.薬剤別
生物学的製剤(血液製剤)
Biologics (blood products)
柴 徳生
1
Norio Shiba
1
1横浜市立大学附属病院輸血・細胞治療部
キーワード:
血液製剤の使用指針
,
輸血関連急性肺障害(TRALI)
,
輸血関連循環過負荷(TACO)
Keyword:
血液製剤の使用指針
,
輸血関連急性肺障害(TRALI)
,
輸血関連循環過負荷(TACO)
pp.186-191
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001209
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新生児・小児における輸血療法に対する考え方
平成15年の薬事法改正により制定された「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」ならびに平成17年に整備された「血液製剤などに関する遡及調査ガイドライン」により,血液製剤の適正使用と安全な輸血医療の実施が医療者の責務として明記された。血液製剤の使用にあたっては,厚生労働省から「輸血療法の実施に関する指針」(平成17年発行,令和2年一部改正)1)および「血液製剤の使用指針」(平成31年)が示されており,指針の遵守が必要である2)。しかしながら,最新の指針でも「小児一般に対する血液製剤の投与基準については,いまだ十分なコンセンサスが得られているとは言い難い状況であり,新生児・小児は多様な病態を示すため,個々の症例に応じた配慮が必要である」と記載されており,症例ごとに輸血の必要性を検討する必要がある。わが国の指針の対象は出生後4か月までの児に限定されていることから,生後4か月以後の小児に対する輸血のガイドラインは米国血液銀行協会(American Association of Blood Banks:AABB)の監査基準を参考として示した3~5)。
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