特集 遺伝診療・ゲノム医療の最新動向―産婦人科医のためのナビゲーション―
Ⅰ.総論
4.ゲノムインプリンティングとヒト疾患
柴田 峻
1
,
濱田 裕貴
2
,
有馬 隆博
1
1東北大学大学院医学系研究科
2東北大学病院産婦人科
キーワード:
ゲノムインプリンティング
,
DNAメチル化
,
胎盤発生
Keyword:
ゲノムインプリンティング
,
DNAメチル化
,
胎盤発生
pp.152-158
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001027
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要旨
ゲノムインプリンティング(遺伝子刷り込み)とは,特定の親由来のアレルが,選択的に発現する現象を示す.ほとんどのインプリント遺伝子の片親性発現は,配偶子形成過程で形成されるインプリンティング制御領域のDNAメチル化により,調節されている.インプリント遺伝子の多くは,胚の発生,分化,代謝などに重要な役割を果たすため,ゲノムインプリンティングの異常が,先天性疾患や胎盤の疾患と関連することが報告されている.本稿では,最近のヒト胎盤栄養膜幹(TS)細胞の研究の成果と,そこから明らかとなったゲノムインプリンティングと胎盤異常を呈するヒト周産期疾患との関連性について概説する.
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