特集 これでマスター! 最新 産婦人科ホルモン療法
第1章 総論
11 甲状腺ホルモンの作用とその関連薬
松下 明生
1
1浜松医科大学内科学第二講座
pp.72-78
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000634
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POINT
甲状腺ホルモンは,生体の成長・発達・分化に必須のホルモンであり,熱産生や代謝の促進に働いている.
甲状腺機能低下症では,レボチロキシンナトリウム水和物(levothyroxine sodim hydrate:LT4)の補充療法を行う.妊娠中の潜在性甲状腺機能低下症は流早産リスクとなるため,妊娠成立後に機能低下が予想される場合にはLT4の投与を行う.
甲状腺中毒症の主要な原因であるBasedow病に対しては,抗甲状腺薬〔チアマゾール(thiamazole, methimazole:MMI),プロピルチオウラシル(propylthiouracil:PTU)〕の投与が行われる.妊娠初期のMMI服用により児にMMI関連奇形を発症するリスクが報告されており,器官形成期におけるMMI投与は避ける必要がある.
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