増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬
内分泌疾患薬
甲状腺ホルモン製剤
河村 優輔
1
,
田中 祐司
1
1防衛医科大学校病院総合臨床部
pp.350-352
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225477
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Question & Answer
Q 甲状腺ホルモン製剤の開始量と維持量の決め方を教えてください.
A 維持量(L-T4 75〜125μg/日程度になることが多い)に向けて,L-T4 12.5〜25μg/日程度の少量で開始し,約1〜2週おきに12.5〜25μg/日ずつ増量し,2〜4カ月で維持量まで上げていきます.治療の指標は開始当初は血中遊離サイロキシン(FT4)値とし,開始〜漸増期にはFT4が徐々に上昇してくることと,心虚血症状がないことの確認が重要です.初期には1〜2週おきの来院を指示します.甲状腺刺激ホルモン(TSH)値は上位中枢に原因のある続発性甲状腺機能低下症ではまったく役に立たず,原発性の場合でも回復が遅いので治療初期には参考程度に留めるのがよいです.漸増の途中で甲状腺機能低下症の症状や他の検査所見(高CK,高コレステロールなど)に改善がみられるはずで,これらが確認できたら,増量&通院間隔を空けていきます.維持期に近づいた時点で,初めてTSHの正常範囲内保持を心掛けて維持量を決定します1).
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.