特集 血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
Ⅱ.診断・治療
5.遺伝性・後天性血栓性素因と産科診療
根木 玲子
1
,
宮田 敏行
2
1国立循環器病研究センターゲノム医療支援部遺伝相談室,産婦人科部
2国立循環器病研究センター脳血管内科部
キーワード:
遺伝性血栓性素因
,
妊娠関連静脈血栓塞栓症
,
妊娠合併症
Keyword:
遺伝性血栓性素因
,
妊娠関連静脈血栓塞栓症
,
妊娠合併症
pp.1091-1097
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
妊娠関連の静脈血栓塞栓症(VTE)は,今なお妊産婦死亡に占める割合は高い.VTEの遺伝要因として3種類の凝固制御因子の欠乏症が遺伝性血栓性素因として知られている.これらのまれな病的バリアントに加え,日本人には中等度のリスク因子で低頻度バリアントのPS p.Lys196Gluが同定されており,本バリアントは妊娠関連VTEのリスク因子になる.後天性血栓性素因として抗リン脂質抗体症候群などがあげられる.
Copyright © 2023, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.