特集 血栓・止血の異常を理解する―広くて深い基礎知識
[Chapter 2] 血栓・止血に関連する疾患
A.血栓性疾患
先天性アンチトロンビン欠乏症,先天性プロテインC欠乏症,先天性プロテインS欠乏症
長屋 聡美
1
,
森下 英理子
1
1金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科病態検査学
キーワード:
遺伝性血栓性素因
,
血液凝固阻止因子
,
アンチトロンビン(AT)
,
プロテインC(PC)
,
プロテインS(PS)
Keyword:
遺伝性血栓性素因
,
血液凝固阻止因子
,
アンチトロンビン(AT)
,
プロテインC(PC)
,
プロテインS(PS)
pp.725-730
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_725
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▪40歳以下の若年性,再発性,まれな部位(脳静脈洞,門脈,腸間膜静脈など)の血栓症を認めた場合には,先天性アンチトロンビン(AT)欠乏症,先天性プロテインC(PC)欠乏症,先天性プロテインS(PS)欠乏症を疑い,それぞれの因子活性を測定する.
▪抗原量および活性がともに低下する量的欠乏(Ⅰ型)と,抗原量は正常だが活性のみが低下する質的異常(Ⅱ型)の2種類が存在するため,抗原量測定のみでは見逃す危険性がある.
▪診断にはAT,PC,PS活性が後天的に低下する要因を的確に除外し,さらに測定試薬の原理によっては活性値に影響する場合もあるため,自施設で使用している測定試薬の原理を理解しておくことが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023