特集 「痛み」に強くなる―産婦人科医として知っておきたい最新知識―
6.オキシトシンの疼痛抑制作用
川﨑 展
1
,
酒井 昭典
1
,
上田 陽一
2
1産業医科大学整形外科学
2産業医科大学第1生理学
キーワード:
視床下部
,
脊髄後角
,
下行性疼痛抑制
Keyword:
視床下部
,
脊髄後角
,
下行性疼痛抑制
pp.607-614
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000259
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要旨
妊娠と出産のプロセスを促進する物質として1906年に発見されたオキシトシン(OXT)は,古くから子宮収縮や乳汁分泌作用があることが知られているが,その他の生理作用の1つとして鎮痛作用をもつことが注目されている.生体は,疼痛刺激を末梢から中枢に伝達する上行路と,上位中枢から下行性に脊髄後角ニューロンを調節する下行路をもつ.OXTは疼痛抑制性下行路に関与し,鎮痛作用をもつと考えられている.本稿では,OXTの多彩な生理作用の中でも疼痛抑制作用について概説する.
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