特集 時間の流れと産婦人科生物学―早すぎること,遅すぎること,長すぎること,短かすぎること―
Ⅱ.時間の流れと生殖内分泌学
10.早発閉経と早発卵巣不全―不妊治療を中心に―
丸山 哲夫
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科
キーワード:
早発卵巣不全
,
排卵誘発
,
妊娠
Keyword:
早発卵巣不全
,
排卵誘発
,
妊娠
pp.507-512
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000233
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
早発卵巣不全において,卵胞発育はまれで妊娠の可能性は極めて低いが,患者の5~10%は妊娠すると考えられている.一方,早発閉経では定義上その可能性はない.しかし,両者の鑑別は極めて困難である.自身の卵子で妊娠を目指す様々な不妊治療が早発卵巣不全に行われているが,唯一エビデンスのある治療は,現時点では卵子提供だけである.早発卵巣不全の不妊治療を行う際は,患者への十分な説明と情報共有を行うとともに,理解と同意を得たうえでの慎重な施行が求められる.
Copyright © 2023, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.