特集 ホルモン補充療法ガイドライン2025年度版改訂のポイント
Ⅱ.各論
9.早発卵巣不全(POI)にHRTは推奨されるか?
飯野 香理
1
1弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座
キーワード:
早発卵巣不全
,
premature ovarian insufficiency(POI)
,
ホルモン補充療法
,
エストロゲン
,
プロゲステロン
Keyword:
早発卵巣不全
,
premature ovarian insufficiency(POI)
,
ホルモン補充療法
,
エストロゲン
,
プロゲステロン
pp.899-901
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001301
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要旨
早発卵巣不全(POI)は,40歳未満で正常な卵巣機能が失われる状態であり,低エストロゲン状態によって骨量低下や心血管疾患リスクが上昇する.これらのリスク軽減のため,POIに対してホルモン補充療法(HRT)を行うことが推奨される.今回のガイドライン改訂において,推奨レベルは「1」で維持されたが,エビデンスレベルが「++--」から「+++-」に引き上げられ,より信頼性の高い推奨となった.HRTの実施方法についてもさらに具体化された.特に経皮エストロゲンゲル製剤や天然型プロゲステロン製剤の投与方法についても新たに記載されている.また,POI女性が妊娠を望む場合は排卵する可能性の高い周期的投与や生殖補助医療へのステップアップを検討することも今回のガイドライン改訂で新たに言及している.

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