特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第3章 生殖内分泌
11.卵巣奇形腫・NMDA受容体脳炎
亀井 聡
1
1上尾中央総合病院神経感染症センター
pp.273-278
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000175
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Point
N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体脳炎では,18~45歳女性例の58%に卵巣奇形腫が確認される.発症病態は,卵巣奇形腫の神経組織からNMDA受容体が放出され,抗原提示細胞(APC)が活性化する.APCは局所リンパ節に移行し免疫細胞を介し形質細胞からNMDA受容体抗体が作られる.この抗体は血行性に脳に移行する.脳内で活発に抗体が作られる.抗体とNMDA受容体が結合し内在化することで,神経細胞のシナプス後膜にあるNMDA受容体が減り,脳炎を発症する.しかし,治療で抗体が減ると,内在化したNMDA受容体が再度シナプス膜に戻り回復する.
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