Japanese
English
今月の特集 腫瘍随伴症候群
免疫学的機序によるもの
抗NMDA受容体抗体脳炎
Anti-NMDA receptor encephalitis
手塚 俊樹
1
,
鈴木 重明
1
1慶應義塾大学医学部神経内科
キーワード:
自己免疫性脳炎
,
抗N-メチル-D-アスパラギン酸受容体抗体
,
抗NMDA受容体抗体
,
cell-based assay
,
CBA法
,
免疫組織化学染色
,
IHC
,
免疫治療
Keyword:
自己免疫性脳炎
,
抗N-メチル-D-アスパラギン酸受容体抗体
,
抗NMDA受容体抗体
,
cell-based assay
,
CBA法
,
免疫組織化学染色
,
IHC
,
免疫治療
pp.1278-1283
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203458
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Point
●抗N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体抗体脳炎は,最も頻度が高い自己免疫性脳炎であり,急性・亜急性に発症する精神症状を特徴とし,抗NMDA受容体抗体によるNMDA受容体の内在化と機能低下が主な病態である.
●抗NMDA受容体抗体の測定法としては,CBA法と免疫組織化学染色(IHC)を用いたTBA法があり,いずれの方法も血清・髄液における抗NMDA受容体抗体の検出が可能であるが,髄液のほうが感度・特異度ともに優れている.
●わが国における抗NMDA抗体の測定法に関しては,商業ベースのCBA法があるが,保険適用外の検査であり,結果が出るまでに週単位の時間がかかる.より精度の高いTBA法に関しては,さらに施行可能な施設が限られる.
●抗NMDA受容体抗体が治療により減少することで,内在化したNMDA受容体が再度シナプス膜上に戻り回復するため,早期の診断と免疫治療が患者の生命,機能予後の改善に重要である.
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