特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第3章 生殖内分泌
5.多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
苛原 稔
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部産科婦人科学分野
pp.240-247
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000169
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多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の病態の中核は卵巣からのアンドロゲン過剰産生であり,またインスリン抵抗性の存在が病態を多彩にしている.原因としてはアンドロゲンの産生や代謝に関与する遺伝子,さらには糖代謝に関係する遺伝子の異常が推定されている.代表的な症状として,①月経異常,②卵巣の多囊胞性腫大,③特有の内分泌検査所見であるが,日本女性では人種的にLHの高値を示す例が多く,肥満や高アンドロゲン症状の出現は少ない.現在,日本産科婦人科学会から診断基準や治療指針が示されている.
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