特集 女児生殖器・会陰部関連疾患のすべて
多囊胞性卵巣症候群
岩佐 武
1
,
荒田 萌花
1
,
野口 拓樹
1
Takeshi Iwasa
1
,
Moeka Arata
1
,
Hiroki Noguchi
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部産科婦人科学分野
pp.696-698
発行日 2025年7月25日
Published Date 2025/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001248
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はじめに
多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)は生殖世代女性の5~14%に認められ,月経周期異常,卵巣の多囊胞性変化,アンドロゲン過剰症状,肥満など多彩な臨床症状を呈する内分泌機能異常である。PCOSは各ライフステージにおいて種々の健康障害を引き起こすため,正確な診断と長期的な管理が求められる。PCOSの臨床的特徴は人種間で異なるため,わが国では日本産科婦人科学会(日産婦)が定めた独自の診断基準が用いられてきた。2023年12月に改訂された診断基準(日産婦2024)では,思春期症例の取り扱いが定められており,産婦人科以外の診療科でも評価が可能な内容となっている。本稿ではこれらを含めPCOSについて解説する。

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