増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
II 内分泌・不妊
多囊胞性卵巣症候群
宮本 敏伸
1
,
水無瀬 学
1
,
千石 一雄
1
1旭川医科大学医学部産婦人科学講座
pp.77-79
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103675
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疾患の概要
多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)は1935年にSteinとLeventhalにより報告されたのをきっかけに,1960年代になってから,多囊胞性卵巣を伴う月経異常を呈する症候群をPCOSという疾患概念で取り扱われるようになってきた.診断基準は月経異常,多囊胞卵巣,ホルモン値異常の3項目の存在を必須とし,月経異常として「無月経,希発月経,無排卵周期症のいずれかの存在」を,また多囊胞卵巣所見としては「超音波検査にて両側卵巣に多数の小卵胞が認められ,少なくとも一方の卵巣において2~9 mmの小卵胞が10個以上存在する」こと,またホルモン値異常としては「血中男性ホルモン値高値,またはLH基礎値高値かつFSH値正常」とされている.
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