特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第2章 腫 瘍
11.絨毛性疾患
井箟 一彦
1
1和歌山県立医科大学産科婦人科学教室
pp.212-216
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000163
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
絨毛性疾患とは胎盤トロホブラストを由来とし,その異常増殖をきたす疾患群であり,胞状奇胎,侵入奇胎,絨毛癌,胎盤部トロホブラスト腫瘍(PSTT),類上皮性トロホブラスト腫瘍(ETT),存続絨毛症の6つに分類される.胞状奇胎は受精の異常によって発生する.全奇胎の15~20%,部分奇胎の1~4%は侵入奇胎へと進展する.絨毛癌・PSTT・ETTは,あらゆる妊娠の後に発生し得る.侵入奇胎と絨毛癌はおもに臨床的スコアリングに基づき診断するが,PSTT/ETTは病理診断が必須である.それぞれの絨毛性疾患の病因・病態を理解し,最適な治療を選択することが重要である.
Copyright © 2023, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.